実世界指向インターフェースとは?

例えば、あるファイルをフォルダの中に入れたいとする。
かつてはそういった動作を行うためには、そのアクションに対するコマンドを人が記憶して
コンピュータに指示を与えなければならなかった。
それがosの改良により、現在ではファイルをフォルダにドラッグ&ドロップで格納できるようになった。
この動作はコマンドラインを覚え、pcに指示を与えるよりもはるかに親しみやすいと言えるだろう。
フォルダを開きたかったらそのフォルダをクリック、消したかったらゴミ箱まで運べばよい。


じゃあ、それをさらに突き詰めていったらどうだろう。
フォルダを開きたいときに、画面上のフォルダアイコンの蓋を引っ張るとフォルダが開く。
消したいときには消しゴムで消すようにぐちゃぐちゃと指でこすると削除。
現在のパソコンのインターフェースでも十分実用はされているが、未だにマウス、キーボードといった
バイスの入出力の過程がある。
それと取り払って、パソコン上の動作と現実に行う動作のギャップを縮めることによって、
人は難しい動作を要求されることなく、そのシステムを扱えるようになると言える。


計算機内部データと現実の事物のあいだ のギャップを最小にすることによって、計算機を意識せずに
透過的な存在として活用する手法を実世界指向インター フェイス と総称します。

増井俊之「インターフェスの街角」 http://pitecan.com/UnixMagazine/PDF/if9808.pdf