アフォーダンスとは?

アフォーダンスとはアメリカの心理学者J・J・ギブソンが提唱した、
認知心理学における概念のことを指していて、それは
物は、人間(や動物)に知覚や認知を促す要素を含んでいるという考え方です。
よく例えられる例としては、椅子は人間がその使い道を知らなくても「座る」という行為を
自然に促してくれます。また、ドアのノブの形状によって、それが引き戸なのか、押し戸なのかを
知らされることなく理解することができます。
こういったアフォーダンスという要素をコンテンツプロダクトの際に積極的に取り入れていくことで、
ユーザビリティを向上させることが出来ます。


物質がユーザにアフォードするものは、そのユーザによって違いがあります。
絵画を鑑賞したときに、それが何を表現したいのかという受け取り方が人と違うように、
受け取り側のユーザの環境によって物が与えるアフォーダンスも受け取られ方が変わってくるのです。
こういった意味でも、物から発信されるアフォーダンスは単に一つの物とは言えません。
物はラジオ局のように様々なアフォーダンスを発信し、ユーザの持っている周波数と合致したときに、
それが何のために物なのかということを認知することができるのです。


「誰のためのデザイン?」の著者のD・A・ノーマンは物をデザインする際には
ユーザに対して、それがいったいなにを「アフォード」しているのかを明確にデザインする必要があり、
「形」ではなく「アフォーダンス」をデザインするべきであると述べています。
アフォーダンスを正確にユーザビリティの向上のために利用していくためには上記のように、
ユーザによって違うアフォードをきちんとデザインしていくべきであると言えるでしょう。